温故知新  3

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1998年の記事から

「練習10則」

第1則 まず正しいトレーニングによって体を作れ。体を作ること 
    を忘れて、いたずらに技巧の習得を努めても決してタイム 
    は上がらない。

第2則 体と泳ぎとを作ることを目的とする基礎練習と、レース前
    の調子を作ることを目的とする練習とを混同してはならぬ。
    レース前になって、むやみにタイムばかりを取るような練
    習は最も悪い練習である。肉体的にも、精神的にも、いた
    ずらに精力を消耗するだけのことである。

第3則 むやみに力泳するよりは、水に乗る調子を体得することが
    何よりも大切である。

第4則 スタートとターニングとの練習は、泳ぎそのものの練習よ
    り大事だと思わなければならぬ。

第5則 一つ一つのストロークを失敗しないように泳ぐことが、最
    も良いタイムを得る方法である。

第6則 レース前の練習に当っては、毎夕毎朝、体重を測れ。もし
    朝の計量において体重の回復が十分でないことを発見した
    ならば、練習の分量を減らさねばならない。

第7則 スランプは精神よりはむしろ体力の欠陥に原因していると
    思わねばならぬ。いたずらにあせるより、思い切って、2、
    3日練習を休むほうがよろしい。

第8則 レースまぎわに体を休ませるつもりで力泳をひかえること
    は非常に危険である。体を休ませるために練習量を減らし
    たければ、力泳をせしめつつ、その分量を減らすようにせ
    ねばならぬ。休ませるつもりでフラフラ泳がせると調子が
    こわれてしまう。

第9則 あがるくせのある選手にいくら精神訓話を与えても、何も
    ならない。いかなる場合にも体を柔らかくして、水に乗っ
    て泳げるように徹底的に練習をさせ、くせづけしてしまう
    ことが何より大切である。

第10則 良き練習は良きコーチによってのみ行われ得る。しかしコ
    ーチのみに頼って自ら工夫することなき選手は上達しない。

             日本水上競技連盟会長 末広 厳太郎

           (昭和14年機関「水泳第64号」に掲載)

この「練習10則」は、初代会長末広厳太郎氏が、選手諸君に残し
た遺訓である。

「温故知新」

50数年経た今日でも、我々の参考になる点も、多いと思いますので、
ここに掲載いたします。

まず、最初に元世界チャンピオンの松崎キミ代さんに取材した内容を
掲載させていただきます。

(現姓・栗本。昭和33年、34年全日本選手権大会女子シングルス
優勝、1959年、63年世界選手権大会女子シングルス優勝)

非科学的な中にも
いいものがあるかも・・・・

渡辺先輩の一言がヒントになり、変身

専修大学に入ったときは、世界選手権でタイトルを取りたい、という
ような具体的なものはなく、4番手でもいいから代表になって、外国
の選手と試合をしたいというのが目標でした。

それが、あるとき先輩の渡辺妃生子さん(現姓・加藤/昭和28・30
年日本チャンピオン)が卒業してから練習に来られたときに、補欠でな
んか行くもんじゃないわよ、エースで行って、団体戦で活躍しなきゃ駄
目なのよ、と雑談の中で言われたのです。

自分は、4番手もいいから代表になりたいと思っていたのに、今まで間
違っていたと、そんな目標じゃ駄目なんだと、そのとき思い知らされま
した。

翌年(昭和33年)、大学2年のときに全日本で優勝することができ、
ドルトムント大会(1959年)の代表になりました。
               
つづく

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送らせていただきます。

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