『続々 温故知新 最終回』藤井基男さん

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『世界一のロングサーブ』

スポンジを使い、世界一速いロングサーブを得意とした荻村
伊智朗選手の場合、大学時代に一人で毎日1~2時間サーブ
練習をやっていました。

速いだけでなく、狙いを正確にするために、万年筆などの標
的を立てて、それに当てていました。

また、チョークで相手コートにマークをつけ、そこへ入れる
練習もしました。

ついには、目をつぶってでも出せる水準までやり込んだとい
います。


世界チャンピオン・ワルドナー

時代が降ってーー。
いま、男子の世界チャンピオン(1997年当時)はワルド
ナー(スウェーデン)です。

第2位で、世界ランク1位はサムソノフ(ベラルーシ)。

ワルドナーは、1987年に世界2位となって以来、11年
間もトップスターとして活躍しています。
 
その秘密の一つは、強力なフォアハンド・サービスにありま
す。

少年時代、中国で修業した際に、サーブがいかに大切かを学
び、シェークでワルドナー式の変化サーブをマスターしまし
た。

これが、3球目の多彩な攻撃を大きく支えています。

サムソノフのサーブ練習にまつわる話を一つ紹介します。

ヨーロッパで、ある大会がありました。

その翌日、サムソノフが一人でもくもくとサーブ練習。

世界選手権の決勝戦を戦うときのような間合いで一球一球、
集中して。

その姿を見て、とても感動しました。
という話を、織部幸治さん(ITS三鷹代表)から聞きま
した。

時代時代で、サービスのルールが変わります。しかし、変
わらないものもあります。

それは、
ーーサーブは攻撃の第一球
ーー威力抜群のサーブは勝利の秘けつということです。

このことをしっかり受け止め、仲間の見ていないところで
でも
サーブ練習をやり込み、独自の協力サーブを身につけ、そ
れを生かした三球目攻撃の名手たちが昔も今もスーパース
ターになっていることを、特に1950年代以降の卓球史
が私たちに語っています。

時代時代で、サービスのルールが変わります。
しかし、変わらないものもあります。

スーパースターは、サーブ練習大好き人間

1950年代と、21世紀が目前の今と、時代に40数年の
へだたりがありますが、荻村・田中両選手とワルドナー・サ
ムソノフ両選手の共通点として私が強く感じること。

それは、スーパースターは、”サーブ練習大好き人間”である、
ということです。

ないしは、強力サーブなくしてスーパースターはありえない、
ということです。

以上を持ちまして、温故知新は終了とさせていただきます。
長い間、ご購読いただきましてありがとうざございました。

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