卓球界の2人の天才に迫る!! 2

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1991年の世界卓球選手権千葉大会では、同僚のパーソンに決勝で敗れ
ましたが、1992年のバルセロナオリンピックでは完璧なプレーで完全
優勝を果たしました。

ほんとうに強かった。

ところで、一度、頂点まで上ると、それを維持することは、大変なことで
す。

だが、ワルドナーは、個人戦の優勝こそありませんでしたが、1993年
の世界イエテボリ大会では団体優勝、シングルスは3位に入り、そして、
1995年の世界天津大会では、チームは中国に決勝で敗れましたが、自
身2ポイントをあげ、存在感を大いにアピールしました。

それでは、今回のマンチェスター大会(97年)ですが、感じたことは非
常にリラックスした入り方をしていたということです。

それは、練習の中で何か一つ目的を持っていたということです。

例えば、バックハンドドライブ一つにしても、それから、それを生かした
両ハンド攻撃、そして安定性、また、フォアからいくときのドライブの種
類の変化、そういうものを確認しながらやっていました。

そして、サーブからの三球目攻撃をそうでした。

これまでは、システム的にやってたように見えたのですが、今回は一つの
ことを作っている、あるいは、確認しているというふうに感じられました。

そういうときというのは、経験からいって精神面が充実しているというこ
とが言えます。

また、コンディションをうまく作りあげてきたのではないかと、その時点
で思いました。

団体の予選リーグでは、ピリッとしませんでしたが、準々決勝の中国戦で
孔令輝に勝った一戦は、ワルドナーらしい戦い方で、サーブから積極的に
攻め、2-0の勝利となりました。

結局、スウェーデンチームは敗れましたが、そこで何か手ごたえをつかん
だように感じました。

結果的に1989年のドルトムント大会以来8年ぶりに優勝したわけです
が、そのときと比較すると、あらゆる部分(戦術対応、経験、試合の駆け
引き、相手のクセを読む能力・・・・)で今回の方が優っていたと思います。

今回特に感じたことは、レシーブミスがほかの選手と比べて少ないという
ことでした。

サーブでポイントする選手は多いのですが、レシーブの得点が多いという
ことは、さすがワルドナーという感じでした。

そこが、ほかの選手と全然違うところです。

世界で勝つためには、レシーブ力が多彩で、なおかつ安定していないと勝
っていくことはできないということが言えると思います。

そこがまさに天才ということで、8年経っても再度優勝することができる
ということではないでしょうか。

1991年は、ライバルのパーソンに決勝で敗れたわけですが、これまで
何度も試合を見ていて、この時のプレーはなんとかくパーソンに譲るよう
な感じがしました。

けっしてそんなことはないでしょうが。

あれから、2、3年経ったと思いますが、あの試合はなんとなく元気がな
いように見えたので、少し遠慮したのでは? 

と聞いてみたら、笑っていました。

もう一つは、だいぶ古い話になりますが、1961年、63年、65年の
世界卓球選手権大会の男子シングルスは中国選手同士の対戦となりました。

荘則棟選手が3連覇したわけですが、敗れた李富栄選手の方が実力は上か
もしれないという話がありました。

20年ぐらい前だったでしょうか、新宿のホテルで李富栄選手にインタビ
ューする機会がありました。

いろいろ昔の卓球を聞いた中で、この時の対戦について聞いたところ、同
じく笑っていました。

その笑いから、感じるものがありました。

つづく

卓球、メンタル、健康コンサルタントをしています。
お問い合わせは、片野まで。

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