温故知新  6

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2011年12月12日の記事より

掲載誌は、1998年5月号

一貫指導ができれば
「不合理の合理」

当時と今では、技術は今のほうが進歩していると思います。
用具の進歩もありますから、スピードが違います。

でも、私たちも戦術の中ではよく使ったことですが、タイ
ミングを外すということが少ないように思います。

卓球の3要素は、回転の強弱、スピードの強弱、そしてコ
ースです。

スピードも絶対的なスピードだけでは駄目だと思います。
いかに弱いボールと強いボールを、相手を見て、変えてい
くかということだと思います。

それが今は、ピッチの速さだけを追求しているような気が
し、大きなことをちょっとおろそかにしているような気が
します。
                        
精神力は、絶対諦めないとか、食らいついていくとか、相
手に負けない気力ということでは昔の選手の方が上だと思
います。

昔の選手は、一人ひとり個性的なのですが、スイングがき
れいと言われていました。

それは、基本ということをすごく厳しく高めようと思って
いたからだと思います。

卓球は湿度が高いとか、乾燥しているとか、暑いとか、寒
いとか、場所や季節によって違ってきます。

また、海外ではアジアとヨーロッパ、それから卓球台によ
っても違ってきます。

ですから、環境がガラッと変わってもミスをしないように、
ミスがでないような、そして、スピードや威力の出るフォ
ームというふうに考えると、基本を高めないといけないと
思います。

私は素振りをたくさんするなかから、体を無理なく無駄な
く使うことを考えました。

非力だった私はこの面では徹底して合理性を追い求めまし
た。

最近、世界でいい成績をあげられないのは、小学校、中学
校、高校と一貫指導ができないというのもあると思います。

昔もありましたが、今のように競争が厳しくなかったです
から、それはひとつ大きいかもしれません。

それから、選手自身の問題もあるかもしれません。やる気
とか、根気とか、工夫・向上心とかの面でもです。

最後にまとめとして、「古き」ということになると、どう
しても非科学的に結びつきやすいと思うのです。

非効率とか、非科学的とかというふうに。

でも、非科学的な中にもいいものがあるかもしれないです。

全部が合理的で科学的なものばかりでも疑問を感じること
もあります

だから、ちょっと不合理なこともやってみて、苦しんで苦
しんでやってみるとか、楽しむということと別に苦しむこ
とも、苦しんで強くなるということもやってもらいたいと
いう気がします。

不合理の合理ということもあります。

                        完

以上は、松崎キミ代さんに協力していただきました。
改めて感謝申し上げます。

松崎キミ代さんは、1959年世界卓球選手権ドルトムン
ト大会女子シングルス優勝、1993年プラハ大会女子シ
ングルスに優勝しています。

2週間ほど前に久しぶりにお会いしました。
日本の女子卓球界では№1選手と言われた方です。

感想やコメントがありましたら、line@に送ってくだ
さい。
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